山口修司の中辛鉄道コラム”ぶった斬り!!”

新進気鋭の交通評論家が、日常の鉄道ニュースに対し、独自の視点で鋭く切り込みます。

いい加減にしてほしい、新幹線誘致合戦絵図

toyokeizai.net

執筆者は、鉄道ファンにはお馴染みの、大坂直樹さん。


建設費がいくらフローではなくストックだとしても、1路線あたり数千億円かかるとなれば、それを違う用途に回すという検討もすべき。なぜなら、
建設費の2/3は国民全体の税金、
残り1/3は、地元の自治体の税金、
経営分離された長距離の在来線は、地元自治体連合で支えなければならない、
新幹線の止まらない駅は、特急停車駅だろうとローカル駅に転落、
新幹線の止まる駅も、新幹線の速達効果で、街の賑わいは大都市圏に吸い取られる、


>つまり新幹線とミニ新幹線とでは、インフラ構造がまるで違うのだ。

その通り。元々は単線の需要しかないのに、さらに高規格の複線を増設するというのが、そもそも非合理なんですよ。たかだか数十分の時間短縮以外は、ほとんどデメリットばかりでメリットはとても少ない。即ち、
輸送障害を減らしたいなら、在来線を立体交差にすればいいだけ。
冬季の雪が心配なら、その区間だけリノベーションすればいいだけ。
在来線の速度向上が望めないなら、航空機の便数を増やせば良いだけ。これの方が手っ取り早いし、地元への悪影響は小さい。
いずれも、文字通り桁違いに費用は小さくなる。
半世紀前の高度成長期の国土計画をそのまま延長するなんて、行政の在り方として根本的に間違っているし、新興国への説明が、成熟社会の日本に転用できるわけがない。

「フル規格化の議論は今をおいてない。この機を逃すと、次にいつチャンスが来るかわからない」
ということは、世代交代すれば地方の意見も変わってくるだろうから、静観していれば良い。
結論。
「まだ(着工)できていない新幹線は全部不要」

ってコメントした人が袋叩きに遭っている。私にしたら、一周回って至極真っ当な感覚だと思うのですが、この記事を読んでいる人は、コアな鉄道ファンばかりなのでしょうか。

より精緻な議論は、手前味噌ですが、こちらを見てください。